障害を持つ方の観光旅行をサポートする観光介助士の資格セミナーが帯広で行われました。

十勝観光

この記事では、帯広市で行われた観光介助士初級資格取得セミナーの様子をお伝えします。

観光の仕事をしており、障害を持つ方をどの様にサポートするのか学べる講座なのね?

はい。観光に関わる方の多くが知っていてほしい内容です。

今回は初級編として、車いすを使って参加者同士が交互に介助を経験し会場は盛り上がりました。また、視覚障害を持つ講師を実際にサポートしながら普段ガイドをしている(私は介助は介護ではない)と気付きがありました。

では、初級編と中級編の様子をお伝えしていきます。

楽しく学んだ初級編の内容です。

初級編は3時間の内容で行われました。

国内のユニバーサル観光における現状と課題を学び、その中で施設や公共交通機関などでのバリアフリーはだいぶ進んできましたが、障がい者を介助しながら案内し楽しませる人材は不足しており、だれもが旅行を楽しめる取り組みは今後も高まり、観光介助士の役割も大きいと感じました。

講座の中では、盲目役とガイド役に分かれて実践したり、ハイテクな車椅子に実際に触れる場面もありました!面白かったので少しだけ何をしたかお伝えしますね。

アイマスクと白杖を使って施設内を移動してみました。

介助士役は盲目役の方の手の取り方からを学び、階段の上り下りを使ってエスコートしました。次の屋外に出て公園内の風景を具体的に説明する事が難しく、風景を言語化する練習が大切ですね。

進行方向を変える場合は時計の時報を例に挙げて伝えます。例えば右に曲がる時は「3時の方向に曲がります」とか、左は「9時の方向へ」と言葉で伝えて進路変更するそうです。

車いすの操作方法。

車いすは乗る人に恐怖を与えないことが大切です。押すときは声を掛けてから動かし、坂や段差を通る時は車いすの向きを変えて進むことが大切です。

注意する点として、車いすから離れる際は必ずブレーキをかける事が大切です。一方で車いすを押すだけでなく、一緒に旅行を楽しむ気持ちも観光介助士の大きな役割です。

はじめて観光介助士を受講して旅の楽しみ方の幅が広がった気がしました。更に旅で想定される個別のシチュエーションに対応するには中級編がおススメです。

実践して学べる中級編の内容です。

中級編は昼食を含み1日コースの内容です。午前中は千歳視覚障がい者福祉協議会会長の菊池悦子さんから北海道の観光におけるユニバーサル対応についての現状を聞きました。

午後からは緑ヶ丘公園内にある博物館を使い疑似体験ワークショップを実施。介助者は展示物の解説を詳しく説明し、最後は一緒に売店でお土産ものを購入する貴重な体験をしました。

全盲の方を実際に観光案内を体験しました。

中級にもなると全盲の方とのコミュニケーションも上手くいき、特別に介助しなきゃ!という気持ちは薄れ、安全第一は勿論ですがやはり旅を楽しむ気持ちが大切と気付きました。

景色のいい池のそばでは記念写真を撮りました。その時に撮影した画像を読み上げるアプリを初めて聞いて驚愕。画面に映る背景や水面の色、周囲の木々の様子を全て解説していました。

まとめ、活用法

これまで多くの方をガイドしてきましたが、考えてみれば健常者がメインでした。解説した景色や動物は目で確認できるのを前提として話し、風の感触や音の方向や種類にまで気にかけていなかった自分に気が付きました。障がいがあってもなくても誰でも楽しさをサポートできるこの仕事に、これからの時代に必要なノウハウだと感じました。

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