熊について思うこと キンムトーにて

キンムトーへ

キンムトーへ

道東の小さな湖、キンムトーへ下見にいきました。入り口には熊出没注意の看板があり、友人と「居るよね?」。「だね!」といいながら、雨の降る薄暗い森へと入って行きました。

雨に濡れた下草は艶々と緑に輝き、そよ風に揺れる大木の枝からは、バラバラと滴が落ち、地面を叩きます。神経を周囲に張り巡らせ、警戒しながら進むと、鏡のような湖面が出迎えてくれました。想像とは違う雰囲気。雨という演出がこのひっそりとした湖に神秘さを醸し出します。「人気がないね?」。「いいとこだ」。人を寄せ付けない。そんな雰囲気も感じ、だから惹かれるのでしょう。

ただ忘れてならないのはここは熊のテリトリー。出てくることが当たり前です。一歩足を踏み入れる時、僕らは心のどこかで覚悟を決めて、そんな怖さを確認するための「居るよね?」だったと思います。これまで20数年で数頭の熊を見ました。本当はそうめったに見られる生物ではないのです。今日だって実は、すぐそばの茂みに隠れ僕らが気づかないだけかもしれません。決してただの獰猛な野獣ではなく、アイヌは神として崇め、僕らが考える以上に賢い生き物です。僕はいつも、人間の非力さを自覚し、素直に「怖さ」を全身にまとい、どうか神様を怒らせませんように!そうねが願いながら歩いてます。今もこの森のどこかに熊がいる!それは嬉しくもあり、これこそが北海道の真の姿だと思うからです。(キンムトーへは森林管理署の入林許可が必要です)

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